ビジネスにおいて、成果が出ないときもあれば、対目標175%達成したこともあります。筏下りの時もあれば、山に登った時もありました。晴れの日もあれば雨季もありました。自身の経験からどんな組織で、どういうときに人が力を発揮できるのかお話していきたいと思います。本稿ではいわゆる「心理的安全」という言葉はもちださないようにしたいと思っています。

そんな私が「マネジメント」が機能するとこんなに成果が上がるのかと体験をし、考えを改めるに至りました。
「マネジメント」はいろいろな定義はありますが、今回紹介するのはシンプルなもの3つです。粒が小さいと言われるかもしれませんが、私の知る限りこれだけできればチームの成果が上がります。
Contents
不機嫌な職場。私の独白。
会社に戻りたくない
私の営業成績はムラがある。今月は絶不調だ。会社にいても「今月いくら入るのか?」ときかれるだけなので、秋葉原の個室ビデオで仕事をしていた。鍵付き・防音だ。しかし、それも限界がある。金が尽きてきたのだ。路地裏や公園など静かな場所でPCをひろげ、TELアポをしてみるが成果が上がらない。21時まで戻らないように調整しても、怒号が飛ぶ詰め会が開催される。ああ、会社戻りたくねー。
非協力的な社員
自社で扱っている製品であったり、システムの仕様の確認で、どうしても上司に聞かないとわからないことがある。しかし安易に質問すれば「一人立つ精神でやれよ。甘えるのもいい加減にしろよ」と怒号が飛ぶ。いや、成果をだすためにはチームプレイも必要やん。クリアにしないと次に進めないやろ?
マフィアの組織
毎朝2時間続く朝礼。社長が突然切れる。「なんだこの数字は?金返せ!!」そして、罰金支払い。もうお金ないんやけど。そして、不当な命令に対し反論をすると「お前は、プライドが高いな」以下社員全員で「お前はプライドが高いな」の大合唱。ふざけている。働いてお金がなくなるのはどういうことやねん。変な上下関係。弱い者からの搾取。まるでマフィアのような組織だった。
ボスのマネジメント
上記は私が体験したブラック企業での生活風景でした。うっかり2年いました(笑)。耐性ができあがり、その後どんな組織やヤバい仕事がきてもへっちゃらになりました。
ですが、いろいろ辛いことが多かったので次の職場こそは、一緒に働くメンバーが欠けること無いように組織の雰囲気づくりをしっかりしたいと考えていました。
その後大手メディア会社に転職。しばらくたった後、当時のボスに「マネジメントの極意」を質問しました。
ボスはザ営業の男です。細かいことは言いません。
『おめーは、ごちゃごちゃ考えすぎなんだよ。まーやるとしたら
・朝おはよう。元気か?と声をかけて、メンバーの体調を確認すること
・就業前に今日どうだった?と成果と疑問点を解消すること
・それから…勢いのあるチームは普段からワーワーうるせぇからよ。声出てるか確認だな。ヤバいと思ったら飲みに行け。経費は使わないと意味ねーから!
全員壇上狙えるんだから、勝つしかねーんだよ。あれこれ考えねーで成果出して、壇上登れば、未来が勝手に広がるんだよ』
大雑把に聞こえますが、ポイントは3つです
マネジメント3つのポイント
①個人とチームの健康を気にかける(声掛け、観察を含めたコミュニケーション)
②毎日成果を確認し、一緒に問題の解決を図る(成果や数字進捗デイリーでの実施と解決策の提示)
③マネージャーはシンプルな目標を掲げ、信念として貫く(メンバーの成長を信じ、目標を掲げ実行する)
拡大解釈の部分もありますが、この3つがマネジメントのベースだと私は思っています。
実際にボスがいた時期に競合からシェア奪取に成功し、自社メディアは躍進しました。ボス自身も現在は、取締役に昇進しています。
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上司Bのマネジメント
上司Bも私にとっては師匠と呼べる人間です。彼はより具体的にマネジメントを実施しました。
マネジメント3つの手法
①チーム編成時に1日をチームビルディングの会議に費やし、メンバー同士自己開示をしながら、ミッションやチームの目標を共有し合意形成した
②雑談も週で累計30分以上メンバーと個別にしていた。個人の話をよく聞き、誰がどのような性格で仕事のみならずプライベートの情報もちゃんと把握していた
③案件進捗CRMツールを利用しデイリー管理。問題や進捗遅延があれば30分程度のミーティングでアイディアをだし、方針を決めた。また週一回案件確度を行い、受注するためにどう行動するのかメンバーに考えさせ、宣言させた
チーム目標共有と相互理解を行うと信頼関係が生まれ、かつメンバー自身がやるべきことが明確なります。メンバーとしても嘘をつけないですし、なんとしても目標を達成したいという気持ちになります。
また、成果を上げるために課題とどう行動すべきかを具体的に、すばやく指示していることで、数字の進捗も良くなります。結果として上司Bのチームは、昨対比2倍の業績を出しました。
これは余談ですが、どの営業組織でも「ヨミ会」と呼ばれる数字の詰めはあります。私はこの「ヨミ会」が嫌でたまらなかったです。だからほかに有効な手段がないか探したのですが、無かったです(笑)。やはり一番効果的なのは、現状の見込みとその確度を上げるためにどうするかを話し合い、アイディアを出して実行することに尽きます。特に営業職の場合、数字からは逃げられないですから。
時は流れ、上司Bと久々に再会した際に、マネジメントの話になりました。彼も出世街道爆進中ですが、たとえチーム編成が変わっても「メンバーの話をよく聞くこと」を行うと、彼ら彼女らはすごく頑張ってくれるとのこと。信頼関係の構築が、メンバーが頑張るためのインフラづくりの一歩目と感じています。
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組織で生き抜くために評価面談ですべき3つのこと
今日のテーマは、評価面談の作法に関して私見を述べていきます。
私は評価面談が苦手でした。成果を出せば勝手に上司が評価してくれると思っていました。しかし、現実はそんなにお人よしではありません。皆さんが後悔しないように経験を踏まえてお話をしますね。結論からお話しすると評価規定・ルールを確認する
自己評価と上司評価をすり合わせる
結果のフィードバックを必ずもらう
この3つが必要です。言葉にするとできそうですが、戦略的に動かないと難しいです。意識して行動しましょう。
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まとめ
マネジメント3つのポイント
①個人とチームの健康を気にかける
②毎日成果を確認し、一緒に問題の解決を図る
③マネージャーはシンプルな目標を掲げ、信念として貫く
上記がチーム運営をする際に実行すべきことです。これができればチームは成果をだします。簡単そうですが、毎日継続するのは努力も必要となります。
私が過去に多くのマネージャーと接してみて感じた違和感は
道を示すが その道の行き方(自転車なのか、徒歩なのか手段を含め)を言わない人間が多すぎるということでした。
メンバーの人となりを理解し、一緒に問題解決することは骨が折れる作業かもしれません。ですが、やらなければなりません。
是非、不機嫌な職場を脱却して、勝てるチームが生まれることを祈っています。
また会いましょう。読んでいただいてありがとうございました。